フィボナッチ数を体制的にデザインへ取り入れる

フィボナッチ数を体制的にデザインへ取り入れる

今回はコード的な話でなく概念的かつマネジメント的な話。

デザイナーやプログラマーなど、学んできた環境は当然違うし、前線にいる人だとなまじ自分で創造することが出来るため、本人自身の属人的な知識と技術に凝り固まることがあります。

経験からスキルと知識が実践通用レベルで蓄積されてるけど、学習意欲と改善意識が高いわけではなく既存のやり方に停滞している、たま~にいるプライドという建前の怠惰による成長の壁を作ってるタイプのクリエイターなんかは特にそうなります。

勉強会みたいな場を会社で開いても根本的にそうした人は参加しませんし、強制参加させても身につかないし、身につかないものはすぐ忘れ去られて実践されません。それじゃ教える・教えられる双方のコストが無駄になる。

なので、ごくシンプルなポイント一点をおさえるだけで即チーム全員の習慣になり、品質が向上するような体制的手法を最近モンモンと考えていました。

黄金比、フィボナッチ数を自然に取り入れる

自分は1:1.618と黄金比は空で覚えていて、デザインをやる人間なら抑えておくべき事…だと思っていましたが、これも一種のゴーマンでした。見た目レベルでデザインを学び、教養レベルに興味の無い人はすっ飛ばしているか忘れ去られてしまうようです。

ここで「デザインに黄金比を取り入れろ」なんて号令をかけても「交通事故を減らそう」なんてスローガンと同じで、根本的に効く施策をしなければ意味がなく、ルールにも手法にもなりません。「体制的」に品質を向上するということは属人的な意識に任せず組織で受け皿を作るか、誰でもすぐ簡単に実行できる必要があります。

ここ最近考え続けて至ったのが「16
正直、風呂入ってる最中に思い至りました。

最小単位を決めるとうまくいく

アイコンの最小サイズであり、16進数カラーコードであり、すべてのディスプレイサイズは16の倍数に行き着くなど、Webデザイナーは日頃接している数字です。

16pxを最小単位と考え、あらゆる要素を16の倍数で作ることでデザインの中にフィボナッチ数的な考え方を取り入れられると気づいたわけです。ここから黄金比に持っていくには5:8の並びを作るもう一手間ありますが、いずれにせよフィボナッチ数の延長上に黄金比が存在するので、最初のステップとして「16の倍数に徹する」という一つだけのルールに則るのは上策かなぁと至ったわけです。

「10×16の箱」を最小単位を黄金比に当てはめてしまうのもアリかなと思いましたが、Webレイアウトは縦横を完全固定できるケースはあまりなく、それをルール化すると融通効かなくなるなとも思ったので。

16ではなく15か20の倍数でも良いと思います。とにかく最小単位を決めてその倍数に徹することで品質向上に繋がります。(とはいえ16にした方が様々なディスプレイサイズに合わせやすくなるとは思います)

拍子抜けするくらい小さくて簡単なルールかも知れませんが、まず一点ずつ着実に品質を上げていくため、こうした体制もアジャイル的に作っていくものだなーと最近思っています。

筆者について

KaBuKi
ゲームとジョジョを愛するファミッ子世代。好きな言葉は「機能美」。
公私ともにWebサービスを作る系男子。