アジャイル・サービススタートアップ

アジャイル・サービススタートアップ

ファストリリース・ファストサイクル

早く出し、早くPDCAを回す。
これがアジャイル開発によるサービススタートアップのコンセプト。

自らに再度ブチ叩きこむつもりでメモしたいと思う。

本質を徹底的に磨く。

そのサービスの提供する一つのゴールを、必要最低限の機能でリリースし、ユーザーへ届ける。
その最低限のクオリティとスピードを追求する。

ただし、「ツボ磨き」の自己満足になってはならない。
サービスの本質に求められる必要最低限を上質な形に突き詰める。

寄り道をしない。

サービス開発を始めると、アイディアマンタイプほど様々なアイディアや同業他社の良い機能を盛り込みたくなる。

だが、それを一切しない。
スタートとゴールの真っ直ぐで快適な一本道だけを作る。

一般的なサービス、同業他社ではごく当たり前のように実装されているものも、必要でなければ切り捨てる。

「他所では当たり前」「こんないい機能がある」なんてアイディアでも、実装する・しないには議論が発生する。そもそも「当たり前」が形骸化している可能性もあり、「当たり前であるべきか否か」なんて話も発生しうるが、そんな議論すら時間の無駄と考え、徹底的に本質を磨く。

革命は盛り込むことでなく、削ぎ落とし置き換えることで生まれる。

ユーザーを妄想するな。

サービスを”本気”で作る人なら誰しも毎度考えるであろう「ユーザーが望むもの」を、一切制作サイドで考えない。なぜならそれは推測ですらなく、妄想でしかないからだ。(自分はここの理解が一番遅かった。ユーザー目線を深く考える人ほどそうだろう)

ペルソナなど立てて、公開してもいないサービスのマーケティングを妄想することほど無駄な時間はない。
磨き上げた本質を露出したあとの肉声は、ペルソナなんぞ一発で叩き砕く。

まずは世に出せ。

ユーザーの肉声を聞け。

リリース前の妄想はせずとも、リリース後の生の声には徹底的に聞き入れ、取捨選択し即座に反映させる。

ユーザーの望むものは老若男女文化国籍で千差万別、ある人の欲しい機能は別のある人にとっては邪魔にもなる。

「あった方が良いもの」レベルのものは多くが「無くても良いもの」だ。
ユーザーの声には「無くても良いもの」も多く、基準としては10人中7人が求めるものを加えていく。

顕著な例は、AppleがiPhoneにおサイフケータイを実装しないという方針。
世界でiPhoneを売るにあたり、日本以外ではおサイフケータイが邪魔でしかないからだ。その分のコストを下げ、納期を早くしている。(日本企業相手だとクソ下らないしがらみや鈍亀連中に付き合わないといけず、以降そんな鈍亀がぶら下がることになる。ロイヤリティコストよりスピードが落ちる事の方が問題だろう)

ところがおサイフケータイを望む声のある日本ですらiPhoneは売れている。
磨きつくされた本質のクオリティが圧倒的だからだ。

つまり「あった方が良いもの」が無くても、本質が充分魅力的でなければならない。
結局は本質を磨き尽くすことが最善になる。

不具合は許すな。

システム的なバグや表示の異常・崩れを放置すれば、割れ窓理論的に増えていく。
制作側・ユーザーともに害しかないため、どんな小さなものであっても不具合対応を最優先項目とする。

ITに慣れている人ほど「こういうものだ」「しょうがない」と理解・放置しがちだが、それは割れ窓だらけスラム状態のワイルドな新鋭サービスに慣れてしまっているだけ。

お客様をもてなす場に割れ窓なんて存在しないのは常識だ。

優先度を絶対視

【不具合>露出・集客要素>新機能・要望 】

挙がったタスクの優先度は上記を絶対とする。
上位のタスクがある時は下位のタスクに決して着手しない。

不具合既存のユーザ離れに繋がる。快適な環境を常に提供する。窓割れは許さない。
集客要素人がいなければ磨きようがない。使われないサービスを磨いても仕方ない。
シェアされやすく、シェアしたくなる要素を重視。
新機能・要望不具合なく、人を呼び込める状態になってから新しいことを始める。
現状がベストでないのに新しいことをやらない。

「やりたい事」より「やるべき事」を徹底重視する。

ポッと出てきた新機能や要望のアイディアは八割方、サービスの本質向上に繋がらない内容。
例えば「iPhoneにストラップ用の穴が欲しい」という声と同じレベルだ。

会議でおエラいさんのポッと出の一言で振り回された経験はないだろうか?
大体の人はポッと出の一言に無責任なので優先度は最低で、意義が無ければ却下で良い。

そのポッと出のアイディアの集積体が、ガラケーだ。

まとめ

大事なことなのでもう一度、「ファストリリース・ファストサイクル」
制作者は作り、利用者が評価し、そのサイクルを回す。

勘違いされやすいが、アジャイルはタスクを細分化し複数人で挑むという戦術論ではない。
早く出し早く回す、これを徹底する戦略論だ。必然的に前者の戦術が向いているだけ。

「拙い」という言葉は適切とは思わないが、「巧遅拙速」の言葉に尽きると思う。

筆者について

KaBuKi
ゲームとジョジョを愛するファミッ子世代。好きな言葉は「機能美」。
公私ともにWebサービスを作る系男子。